脊柱菅狭窄症の治療
脊柱菅狭窄症とは
脊柱管狭窄症とは、主に腰の部分にある背骨、いわゆる腰椎の中に脊柱管と呼ばれる骨のトンネルがあり、年齢と共に変形してトンネルが狭くなることによって、脊柱管の中を通っている神経が圧迫されることで腰や足の痛み、シビレがあらわれる病気です。
脊柱管狭窄症は腰痛はあまり強くなく、安静にしている時にはほとんど症状はありません。しかし、背筋を伸ばして立っていたり歩いたりすると、ふとももや膝から下にしびれや痛みが出て歩きづらくなります。しかし、すこし前かがみになったり、腰かけたりするとしびれや痛みは軽減されます。
進行すると、足の力が入りにくくなったり、肛門周囲のほてりや尿の出が悪くなったりすることもあります。
一般的には中年以降におこりやすい病気ですが、交通事故や怪我、ヘルニア、ぎっくり腰などで腰を痛めた経験がある方には比較的早い段階で発症します。
60歳以上の場合、脊柱管だけでなく、椎間板の変形によるヘルニアや、すべり症を併発することも多いので注意が必要です。
特徴は間欠性跛行
脊柱管狭窄症の一番の症状は、間欠性跛行(かんけつせいはこう)という特徴的な歩き方があらわれます。
間欠性跛行とは、歩いているうちにだんだん痛くなり、やがて歩けなくなります。しかし、休憩していると症状が楽になりまた歩けるようになることです。
狭窄が進行すると、300m歩けたのがだんだん100m、50mと歩ける距離が短くなってきます。
治療は手術しかない?
脊柱管狭窄症の根本的な治療は、神経を圧迫している脊柱管の骨を削る手術になります。
しかし、医師から手術をすすめられる時にはすでに神経を長い期間圧迫されており、手術をしてレントゲンで見る限りではきれいに治っていても、何らかの神経圧迫の痕跡や傷が残り、症状が残存することがほとんどです。また、手術部分が癒着して痛みや引きつりなどつらい症状があらわれます。
もともと、痛みや痺れは侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛に分類されますが、一般的な痛みはほとんどが侵害受容性疼痛であるのに対し、脊柱菅狭窄症は神経障害性疼痛となります。
この神経障害性疼痛に対する薬は、抗うつ薬やリリカを使用することが多いです。しかし、それでもなかなか症状が楽にならないことが多くお悩みの患者さんが少なくありません。
鍼灸治療の場合、変形した骨を治すことはできませんが、狭窄の影響であらわれた痛みやしびれの症状を改善することはできます。
鍼灸治療は、低周波や干渉波、レーザー、遠赤外線などの電気光線療法と違い、確実に圧迫を受けて痛みやしびれの原因となっている部分に対してミリ単位のアプローチができるため、周辺組織の緊張緩和、損傷部位の修復再生や、痛みに対する閾値を上げることで症状を和らげていくことができます。
「手術はしたくない」 「手術後に残っている強いしびれをなんとかしたい」とお悩みの方は、鍼灸治療で症状を和らげ、しびれに振り回されない生活を取り戻しましょう。