みなさんこんにちは
田原市のなばな鍼灸院です。
今月10月6日~10月12日は「ホスピス緩和ケア週間」です。
毎年、この週間は様々な緩和ケアをおこなっている施設や病院などでポスターの掲示及びセミナーや見学会の実施などを通して緩和ケアの普及啓発活動がおこなわれます。
当院グループも、ボランティア活動に参加させていただいている成田記念病院は、2023年4月より、緩和ケアとしてスタートしました。
ここの緩和ケア部長である佐藤医師は、2005年3月より、豊橋医療センターに緩和ケア病棟を開設し、18年で日本有数の病棟に成長させ、ホスピス運動を継続するために、第二の緩和ケア病棟を成田記念病院に開設しました。

下の動画は、啓蒙活動の一環として豊橋医療センターでの緩和ケア活動をYouTubeにアップされました。
緩和ケア病棟というと、暗く寂しいイメージを持たれる方が多いと思います。しかし、実際の緩和ケア病棟は皆さんがイメージされるのとは少し違います。
この動画をご覧いただき、そんな様子を感じとっていただければと思います。
緩和ケアの理念は、すべての人が「その人らしい人生を全う出来る様に」、人生を「より豊かで意義深いものにする」ための機会づくりです。
緩和ケアのポイントは
- がんによる痛みなどの辛い症状を十分に取り除いてあげる
- 患者さんとのコミュニケーションを大切に
- 家族のケア
となります。
緩和ケアはこれからのために最期ではなく、最初に相談に行くところだと思います。病院と緩和ケアとの違いの一つに、モルヒネなど認識の違いがあります。
まず、がん患者さんの痛みの性質は
- 痛みがいつまでも続くということ
- 身体的原因による痛みが精神的なもので修飾されること
- 鎮痛薬が効く痛みが多い
があります。
癌の痛み止めとして使うモルヒネに対する誤解や偏見として、
- 寿命が縮む
- 中毒になる
など言われることがありますが、モルヒネは正しく投与される限り
- 危険はなく痛みなく快適に過ごせる
- 痛みを訴える患者さんに投与する限り中毒にならない
というのが真実です。
医師を含め、モルヒネに対する誤解があるために緩和ケア先進国と比べ、日本のモルヒネの使用率は1/3以下となっています。
そのため、痛みにただただ苦しみ絶望する癌患者さんが多い日本です。
終末期にどのような医療を受けたいのか、むしろ終末期ではなく癌を宣告されたらまず治療を含めた選択肢を考えるきっかけとして緩和ケアを思い出してほしいです。
私たち鍼灸師は、がんに関わる積極的な治療はおこなうことができませんが、患者さんとともに苦痛と向き合い、体を少しでも楽に過ごせるよう、心が少しでも和らぐよう、寄り添った治療をおこなっています。
それぞれの立場で、患者さんにとってのより良い人生の支えとなれるようホスピスの心を胸に向き合い続けたいと思います。